チューニングについて

 

 

チューニングとは

チューニングとは単にパワーアップさせるという事ではなく、エンジンの持つポテンシャルを最大限引き出すために各々の構成部品を調和(チューン)させるということになります。

多くのハーレーのエンジンは、潜在能力が非常に高いのでノーマルのエンジンであっても更に多くの混合気をエンジン内に吸い込めるポテンシャルがあります。
良い混合気を多く取り込めれば多くの燃料を燃やすのでパワーが上がるということになり、燃調の変更や口径の大きいキャブレター、排気効率の高いエキゾースト、点火モジュールをハイパフォーマンスなものに変えると、単純にパワーがアップするのもその為です。

つまり通常のチューニングとは現状のエンジンの吸気・排気系・点火系を調整して、現状のエンジンの効率を最大限に引き出すということになります。

 

エンジン パフォーマンス アップについて

エンジンには構造やカムのタイミング等で決まる出力特性というものがあり、混合気をエンジン内に最も効率よく吸い込めるエンジン回転速度域が存在します。このエンジン回転速度域でトルクを出すのがチューニングとなります。

更なるパワーを求める場合はシリンダー内に吸込める効率・燃焼効率を上げるか、高回転化することで時間あたりの仕事量が増え馬力(トルク×回転数)が出ます。つまり最大出力を上げるには高回転域でシリンダー内に吸込める効率・燃焼効率を上げれば最大出力が上がります。

一方、最高回転数が低く、回転数が上がるにつれてトルク下がるエンジンは最大出力が低くなります。
ノーマルエンジンは最大トルクを3000rpm程度で最高回転数も低く、バルブトレインの耐久性やコスト、一般道での扱いやすさを考慮してトルクが低めの回転数に設定してあります。

馬力を上げるということはこの点(燃焼効率・吸込める効率(トルク)を上げる、最高回転数を上げる)ことです。

吸込める効率を上げるには

・吸気効率を上げる(ハイフローエアクリーナー、大径キャブレター・スロットルボディ、マニホールド)
・排気効率を上げる(ハイパフォーマンス エキゾースト)
・バルブのリフトやタイミングを変更する(カム交換)
・バルブサイズを大きくする(ビッグバルブ化)
・排気量を大きくする(ボアアップ)
・吸気効率を上げる(シリンダーヘッドのポート加工)

燃焼効率を上げるには

・空気と燃料をよく混ぜる(ハイパフォーマンスキャブレター、スロットルボディ・インジェクター交換)
・圧縮比を上げる(ピストン交換)
・燃焼効率を上げる(シリンダーヘッド交換、燃焼室形状変更)
・点火タイミングの変更(イグニッションモジュール交換、EFIチューニング)
・燃料系統の調整(キャブレター調整、EFIチューニング)

最高回転数を上げるには

・バルブの追従性を上げる(強化バルブスプリング、バルブ周りの軽量化)
・ピストンの強度を上げる(鍛造ピストン・コーティング)
・ストロークを下げる
・構成部品の軽量化

単純に組み込んだだけではうまく性能が発揮されませんが、インテーク、エキゾースト、カムシャフトの変更やシリンダーヘッド加工、排気量アップ等でそれぞれのパーツをうまくチューニングしていくと非常に乗りやすくて、広い回転域でトルクがありバランスのとれた”良いエンジン”に仕上げることが出来ます。

あらかじめ、どのような感じで走るのか、パワーはどれくらい必要なのかを見極めてから、パーツの選定とチューニングすることでライダーご自身に合った最高のエンジンを楽しんでいただけると思います。

1996XL1250

2007XL1200R

2022年10月04日